茨城県大子町・湯沢峡2



(5) 抱返し滝

 木々の向こうから滝の音が聞こえてくると、すぐに抱返しの滝に到着する。落差約15m、二条に分かれて落下する立派な滝だ。
 眺めると滝の右上の大岩壁に圧倒される。また、滝壺の正面にある巨大な岩も印象的で、この岩に乗れば滝を間近に眺められるが、岩の隙間は深いクレバスになっているので、落ちないように…。

 

 

 滝の左側にある梯子。うーん、やっぱこれ登らなきゃダメ?。歪んで傾いてるし、なんか右側の鉄筋が途中で完全に折れちゃってるんですけど…。まあ、見た目より頑丈なんで大丈夫です。左に見える鎖は新しい物なので、これにも頼りましょう。
 道はそんな状態ですが、ふと見上げてみると大岩壁に紅葉、澄み切った青空と、まさに絶景でした。
 梯子を上ると抱返し滝の落ち口に出ます。こんな所で足を滑らすと命に関わるので、特に慎重に行動します。
 なお、ここから先にはたいした滝もないので、滝だけが目的なら抱返し滝の下で引き返してもよいのですが…この谷を下るのは上る時の数倍は危険だと思われるので、やめた方がいいとは思いますけど。

(6) 最後の目印がある滝

 抱返し滝を登ると沢の様子に変化が見られ、岩が少なくなって穏やかな姿になってくる。少し進んで、沢が直角に右へと曲がる場所に落差2mほどの滝がかかり、その右側の崖に赤ペンキのルート目印がある。だが、それに従って滝を上るとパッタリと目印がなくなってしまう。ここまでは要所要所にに目印があっただけに、道を間違えたかと思ってあちこち探してみたのだが…ない。ルートはわからなくなったが、とりあえず沢を遡ることにした。

(7) 今回最後の滝

 (6)の滝を登ってすぐ先、沢が左へ曲がる場所にある滝。こちらも落差2mほどで、楽にこえられる。
 この滝をこえると両側の崖もなくなり、植林された杉山になる。沢も先ほどまでの険悪な様子はどこへやら、すっかり優しい流れだ。
 先に進んでももう大きな滝はなさそうなので、ここらで帰る道を探すことにする。地図を見ると左の尾根に釜沢越の道がある模様。傾斜の緩やかな場所を探して登ってみた。

(8) 釜沢越

 地図の読み通り、無事釜沢越と呼ばれる峠に出た。脱出成功〜。ここからはふもとを目指し、ひたすら急な九十九折りの道を下って行く。
 下りの途中からは展望が開け、遠くに広がる山並みを見ることができた。

 

(9) 林道へ合流

 どんどん下ってゆくと舗装された車道へと出るが、この車道は湯沢峡入り口前を通っていた林道。ここを左へと進み、あとはひたすらスタート地点へと戻るのみだ。ここまでの所要時間は3時間半ほど。途中で写真撮影や休憩をしたとはいえ、3km弱の行程にこれだけの時間がかかったというのが、道の険しさを物語りますね。さーて、歩いた後は湯沢温泉にでも入って、ゆっくりと疲れを取るとしましょうか。


湯沢峡・その1へ戻る


戻る