長野県松本市・雲間の滝

注意!

このコースは一部危険を伴います。行くか行かないかは現地を見て、自己判断・自己責任でお願いいたします。万が一事故があっても、私(管理人)は一切の責任を負いません。

有名な山岳観光地である上高地の入口にあり、国道158号線に「雲間の滝トンネル」という隧道までありながら、その全貌を容易には見せてくれない幻の滝、それが雲間の滝である。地形図を読んで、かなり大きな滝だろうという事は予想できたが、沢ルートは険悪そうで困難が予想され、なかなか行く機会を得ないでいたが2009年夏、滝壺へ到達し念願だったその全貌を明らかにする事が出来た。

上の写真は一般的に雲間の滝として紹介される事が多い無名滝である。あまり語呂は良くないが便宜上「偽雲間の滝」とでも名付けてみる。実物を眺めながら地図を見るとわかるが、全く違う場所に懸かっている。しかし落差は大きいので、これはこれでなかなか立派な滝ではある。ただし晴天が続くと水が涸れてしまうのが欠点だ。


今回のルート。沢通しは険悪で遡行は無理と考え、最初から大きく巻き上がり、主瀑へ直接到達する事を考えて歩いたルートである。予想通り上から眺めた沢は険悪そのもので、大正解だった。


国道から遠望した雲間の滝にだいたいのルートを重ねたもの。雲間の滝本体は木の陰に隠れていて、この写真では確認できない。


雲間の滝トンネル南坑口から谷へ降りる道があるので、それを使って入渓する。すぐ手前にチェーン着脱場があり駐車できるが、上高地のシーズン中は駐禁を取られる場合もあるという話なので、注意した方が良いかも知れない。

入渓すると堰堤が現れ、その内、古めの幾つかは派手に崩壊している。大自然の力を見せつけられた思いがした。これらの堰堤を過ぎた辺りから左岸へ徐々に巻くルートを取る。


等高線に沿って徐々に高度を上げて行くと、深いガレた涸れ沢にぶつかる。この沢の上流は国道から見えた無名滝=偽雲間の滝だが、この場所では流れはガレの下に伏流していた。この沢への降下は傾斜がきつい上に手がかりが少ないため、ザイルを使用した。この沢を越えるのが一番の難関かもしれない。


涸れ沢を越えた後は、小尾根に取り付き急登する。途中に僅かにある平場には古い食器の破片が散らばっている。昔、堰堤工事の飯場でもあったのだろうか。そこから更に登っていくと真上に崖が見えてくるので、その辺りから真横へ、等高線に沿ってトラバースしていく。地図で方角を確認しつつ傾斜のきつい斜面をトラバース。途中にはガレた場所もあり気を使う。

急傾斜のトラバース続きで足が疲れてきた頃、目の前の木の葉越しにもうもうと水煙が上がるのが見えてくる。もう雲間の滝はすぐそこだ。それまでの疲れも吹っ飛び、急ぎ足で先へ進む。


出発から2時間あまり、ついに雲間の滝へ到着した。こういう情報が皆無の滝へ無事辿り着けた時の嬉しさは大きい。初めて見るその滝の姿に、しばらくの間見とれてしまった。この場所からは上段50m、下段10mほどの二段滝に見えるが、更に下流に20m級の滝があり、その下にも数段ありそうだったので、辿り着いた場所は滝の中段と言う事になるのかもしれない。しかし下流を見てみても、半端な技術ではとても遡行できるとは思えない。やはりこのルートで正解だったと思う。


下段の横を登り、主瀑の真横へ。降りられないものの、滝壺を見下ろす事が出来る。水が一気に噴き出して落下するような、豪快な姿に感動する。


青空と雲間の滝。なんだか滝の名前とイメージがぴったりの写真が撮れたように思う。とにかく「豪快」。この滝の印象はそれにつきる。安曇野の秘瀑、雲間の滝。訪れる人もほとんど無く、これからも変わらない姿でいてくれるのだろう。


【動画撮影…森本泰弘(管理人)】

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