布引滝(布引三段滝)


注意!

このコースは一部危険を伴います。行くか行かないかは現地を見て、自己判断・自己責任でお願いいたします。万が一事故があっても、私(管理人)は一切の責任を負いません。


布引三段滝へのルートマップ
この地図は国土地理院の「ウォッちず」を使用して作成しました。


車で松阪市飯高町を蓮ダム方面へ行き、ダムの堤体下へ出る細道へ車を入れ少し進むと、左手に吊り橋が見えてくるので、そこで駐車。広くなっているので、数台分のスペースはあります。靴は展望地までは登山靴の方がよいが、その後は沢登りとなるので沢靴をザックに入れていこう。

ダムの堤体を右手に見ながら吊り橋を渡ると道は左へ曲がり、登山道らしくなる。ここから尾根上まで約40分、途中で二回ほど細い沢を渡りつつ、ひたすら登る。登り切ると廃屋のある開けた場所に出る。小休止するには絶好の場所。少し休んだら小屋の脇へのびる登山道へと足を進めよう。

ここからはほとんど上り下りのない、植林地の中の道を進む。右手に川音が聞こえるとはいえ、単調な道だ。だが、途中で目指す布引三段滝の上部がチラリと見える場所があるので、それを眺めてテンションを上げながら歩こう。しばらく進むと写真のような崩壊地に出る。崩壊地と行ってもほぼ安定しているし、踏跡もしっかりついているので危険はない。

崩壊地を過ぎると、ほどなく写真の踏跡分岐に出る。この付近は林業の作業道が錯綜しているので、間違えたルートに入らないように注意すること。もっとも、谷底へ至るルートならどれでもオッケーではあるのだが、この分岐で曲がるのが一番高低差が少なく、楽に谷底へたどり着けるのでおすすめだ。

踏跡を外れないように注意しながら暫く進むと、右手に布引谷川の流れが見えてくる。踏跡は丁度流れに出る辺りまで続いているので、適当な場所を選んで徒渉し、対岸へ渡ろう。普段の水量なら、ここは登山靴のまま問題なく渡ることが出来る。

徒渉すると、写真のような美しい植林地へ出る。上部の伐採地が明るく見えてくるので、そこを目指して道のない急斜面をひたすらに登る。直登は疲れるので、ジグザグにルートを取って登るのがコツだ。間伐した丸太が玉切りのまま転がっていて足場が悪い。転倒しないよう、十分注意して登ること。

息を切らせて20分ほど登っていくと、明るく開けた伐採地へ飛び出す。ここが第一目的地。ドキドキしながら振り返り、滝の方を眺めてみよう。

展望地からの布引三段滝全景。手前の小滝を含めて、この滝の全てを一望出来る素晴らしいスポットだ。まだ滝までは距離があるのに、これだけの大きさに見えることや、水がゆっくりと落ちていることからその大きさがよくわかる。ただ、公式の212mという落差はなく、見た感じでは150mぐらいではないだろうか。もちろん、それでも巨大な滝であることに変わりはなく、その姿にしばし釘付けになることだろう。

なお、伐採した植林地にはいつかまた杉の苗木が植えられる運命にある。なるべく早めに見に行っておいた方がよいだろう。

遠望を心ゆくまで楽しんだら、元来た道を谷底まで戻る。ここで足回りを沢靴、沢装備にチェンジする。もうこの場所には戻らないので、登山靴を忘れないようにザックへしまおう。

沢歩きは20分くらい、特に難所もないので快適に歩いてゆく。するとだんだんと滝音が近づいてきて、布引三段滝の前衛である小滝の下へ飛び出す。

ここからの眺めが最高にカッコいい。好みの問題もあるだろうけども、私はここからの眺めが一番好きだ。狭い空間にダンダンダン!と落下してくる滝。名前や遠望したときの印象とは裏腹に大迫力なのだ。ここでしばらく撮影に時間を使った。

さて、ここからがこのルートの一番の難所、小滝越えになる。沢ヤ的には別に特記すべきほどの難易度はないのだけれど、右の写真のオレンジ色のルートを通って小滝の上へ出る。この写真の撮影地点からのトラバースが滑りやすいので、そこだけが注意点。滝の右壁はちょうど人が歩けるスペースがあるので、行ってみれば簡単である。

小滝の落ち口ではシャワーを浴びるくらいの体勢で挑もう。下手に流れを避けようとすると、かえって滑落の危険が大きくなる。ここは大胆に水流の中を行こう。

ようやく布引三段滝滝壺。思ったより広く、静かな空間である。滝の上部まで見るには左岸(上流に向かって右側)に渡る。滝全てに言えることだが、滝壺から見上げると落差を感じなくなってしまう事が多い。この滝もその例に漏れず、遠望や小滝下から眺めた時よりも、かなり低い印象を受けてしまうのが残念だ。でも、ここへ行く価値は絶対にある!

さきほどの小滝を登れない人は、右岸(上流に向かって左側)の急斜面を登山道まで登り、少し先でもう一度急斜面を降りる事になるが、かなりの体力を使うので覚悟の上で。

滝壺でじっくりと堪能したら、右岸(上流に向かって左側)の急斜面を迷岳登山道を目指して登ろう。もちろん上る道などは存在しないので、自分で登りやすそうな斜面を選んで登っていく。背中側、木の間越しに布引三段滝の白布を振り返って見ながら、20〜30分ほど登ると迷岳登山道に飛び出す。登山道と行っても踏跡は薄いので、見逃さないように注意しよう。

登山道に出たらちょっとだけ先に進んでみよう。木々の隙間越しではあるけれど、最上段と2段目を見下ろすことが出来る。最上段の滝壺へ行く踏跡もあるので、時間があれば寄ってみるのも良いだろう。これで布引三段滝は全て見たことになる。お疲れ様でした。この後、登山道を忠実に下れば、元来た登山道へ戻ることが出来るし、時間があるのならば、迷岳まで登ってみるのも一興だろう。こちらの場合はルートを選べば、帰りに唐谷の滝々を見ることも出来る。



【動画撮影…森本泰弘(管理人)】


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