栃木県日光市・布引滝

女峰山の北側、今は日光市に合併された旧栗山村に秘瀑・布引滝が落下している。私は昔、この滝を見ているのだが、それは遠望であって滝壺までは行っていない。そのうち行こうと思っていたのだが、なかなかそのタイミングを得られずにいた。だが、今回、ようやく訪ねる機会を得たので、その様子をリポートしてみることにする。


→全体ルートマップ(別ウインドウ)

川治から県道を奥鬼怒方面へ車を走らせ、川俣ダムの手前で野門集落へと左折する。大きな「家康の湯」の看板が目印だ。細い道は「栗山東照宮」や「家康の湯」のある野門集落を通り過ぎて山へ登っていき、何度かのつづら折りを過ぎると、鎖がかけられたゲートに着く。ここから先へは一般車は入れないので、車を駐車して歩くことになる。

午前10時。ゲートから、てくてくと舗装された林道を登っていく。真夏の林道歩きは暑くて大変なのだが、ここは木陰が多いので助かる。標高が高いので、日差しさえなければ結構涼しいのだ。途中、木の間から川俣ダムなどをチラチラと見下ろしながら歩いていくと、突然目の前が開けた。そこに簡単な展望台が作られていて、遙か彼方に目指す布引滝が望めた。直線距離で2km以上はあり、音は全く聞こえない。ただ、かなりの落差があることだけはよくわかる。昔来たときはこんな展望台はなく、この場所には眼下の野門沢へ砂防工事の資材をおろす、大きなケーブル施設があったと記憶している。施設を撤去したところを見ると、砂防工事も一段落したようだ。

午前11時。林道の終点に着いた。ここには簡単なベンチとテーブル、色あせた布引滝の案内板が立っている。ここは「←布引の滝遊歩道」の道標に従って、左の山道へ入る。遊歩道はちゃんと笹の下刈りなど、手入れがされていて歩きやすい。

20分ほど山道を登っていくと、左手に降りてゆく道が分岐する。ここにもちゃんと「←布引の滝遊歩道」の道標があるので、迷うことはない。前回、私はこの場所まで訪れている。目指す布引滝を1kmほどの遠望にはなるものの、きれいに眺めることができる場所である。

さて、ここからは私の未体験ゾーンである。土止めしていた土が流出し、まるでハードルのような状態になった階段を慎重に下りる。これならただの斜面の方がマシであるが、文句を言ってもしかたがない。ただ、最低限の手入れはされているようで、普通のハイカーでも問題ないレベルである。そういえば、この滝へのルートは、前に書店で立ち読みした随想社発行の「栃木の山120」にも案内が出ていたし、こりゃ楽勝かな?

どんどん下っていくと水の音が聞こえてきた。まだ谷底までは距離があるはずだが…と思っていると、きれいな水の流れる枝沢があった。この水は非常に冷たく、10秒も手をつけていると痺れてくるほどだ。そしてとても美味しい。この水は一年中涸れないと思われるので、この滝へ行く場合はここでの補給を頭に入れておけば、持って行く水の量を減らすことができるだろう。

その後もう一本同じような沢を渡ると、古いベンチやテーブルがある、なだらかな場所に出る。さらに進むと苔むした岩の道となる。このあたり、少しルートがわかりにくいが、赤テープやペンキなどの目印などもあるので、それらを気にしながら歩けば問題ない。

いよいよ谷底へ近づき、本流の音が大きくなってくる。さらに進むと目の前が開け、布引滝が落ちているのが見えた。ただ、まだ距離がある上、手前の尾根に隠されて上の方だけしか見えない。この場所は左の方にロープがあり、これを伝って河原へ降りることができる。もっとも、別にロープに頼らなくても大丈夫な傾斜である。


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